子どもが読む昔話や童話では、欲深いオオカミやずるいキツネが最終的には痛い目に遭っていました。
たくさん食べすぎて池に落っこちたり、他の動物を騙して逃げたら自分だけ罠にかかったり…
子どもの頃は「意地悪や欲張りはいけないんだな」と理解していたつもりでも、大人になると童話のオオカミやキツネのようになってしまうこともありますよね。
欲望を抑えることができないと、不幸になってしまうのでしょうか。
今回は、欲望の本質と、欲望がもたらす未来について考えてみました。
欲望は誰もが持っているもの?本能でもある
宗教など、「欲望=悪」という教えもあります。
しかし、欲望は本当に悪いこと、持ってはいけないものなのでしょうか。
「お金が欲しい」「恋人が欲しい」「認められたい」という願望は、人が生きる上で大切なことです。
これを良からぬことを考えている、欲深いことだと禁止したら、働く人も、結婚して子どもを持つ人も、他人のために良いことをしようとする人もいなくなるのではないでしょうか。
食欲・睡眠欲・性欲は、人間だけでなく動物にもある本能です。
欲望は悪いことだと決めつけたとしても、人間の力では抗えないものがあります。
表現する・しないの違いはあっても、どんな人でも全く欲望がないということはないでしょう。
欲望には2種類ある!?物質的な欲望と精神的な欲望
「○○が欲しい」という欲望には、
「お金が欲しい」
「車が欲しい」
「家が欲しい」
などのモノに対する欲望があります。
これは物質的な欲望ですね。
また、
「恋人が欲しい」
「有名になりたい」
「あいつに勝ちたい」
という精神的な欲望もあります。
物質的な欲望はいくら手に入れても満足することができず、さらに欲深くなる人もいるでしょう。
精神的な欲望の場合はある程度は達成感が得られますが、さらに上を目指す人もいるため、物質的な欲望と同じくキリがないかもしれません。
ただし、精神的な欲望の方が他人からの評価により満足感を得られる可能性は高いでしょう。
心の安らぎを求めている?本当の願望とは
欲深い人は、物質的なものであっても精神的なものであっても、現状に満足できないかもしれません。
それが自分の成長につながり、回りまわって社会や他人のためになれば良いのですが…
自分だけの利益を求めると、信用を失ったり恨まれたりするでしょう。
そうなれば、いくら物質的に満たされ、地位や名誉を手にしても満たされることはありません。
欲深い人が本当に求めているのは、お金でも地位でもなく、心の安らぎなのではないでしょうか。
欲望があることが悪いことではなく、欲望によって身を滅ぼしてしまうことが問題です。
自分の中の欲望に目を向け、上手にコントロールすることが生きる力になるでしょう。